競馬の期待値は勝率とオッズで決まる!自分で勝率を決めて期待値を計算する方法や、買うべき馬券の選び方を解説します。

競馬の期待値の計算方法とは?勝率を自分で決めて回収率を最大化するコツを解説!


「この馬、強いと思うけど…オッズ低いしな」
「穴馬狙ってるけど、来る確率ってどれくらいなんだろう?」

 

そんな迷いを解決してくれるのが、“期待値”という考え方です。
競馬では、単純な的中率ではなく「オッズ×勝率」=期待値がプラスになるかどうかが、長期的に回収率を上げるカギになります。

 

この記事では、競馬における期待値の計算方法や、自分で勝率を割り振って精度を上げる実践ステップをわかりやすく解説します。
予想に自信がある人ほど、この“期待値思考”を取り入れるだけで、無駄な買い目が減っていくはずです。

はじめに:なぜ競馬の期待値計算が重要なのか?

競馬で収益を上げるためには、ただ「当たる馬を買う」だけでなく、長期的にプラスになる組み合わせを導き出すことが必要です。

 

期待値計算は、オッズと自分の勝率予想を数値化することで、「どの馬券が投資として魅力的か」を判断するための有力なツールです。

勝率を自分で決めて期待値を計算する方法

基本の期待値(E)の計算式

期待値(E)=オッズ×自分の勝率(%)÷100
例①:単勝3.5倍の馬に対して「40%は勝つ」と自分で判断した場合
E=3.5×40÷100=1.4
→ 期待値は「1.0」より大きいので、買うべき馬券
(投資的に“プラス”を取りに行ける買い目)

 

例②:オッズ8.0倍、勝率10%と見積もった場合
E=8.0×10÷100=0.8
→ 期待値0.8なので、長期的には損の可能性が高い

なぜ“期待値”が重要なのか?的中率だけでは勝てない理由

競馬でよくある失敗は、「当たると思った馬を買ったのに、当たったのに回収できない」こと。
それはつまり、オッズに対して勝率が見合っていなかったということです。

 

たとえば、

・的中率70%の馬でもオッズ1.0倍なら損をする可能性が高い
・的中率10%でもオッズ20倍なら長期的にはプラスになるかもしれない

 

このように、「当たるかどうか」だけではなく、見返りの大きさ(=オッズ)とのバランスが取れているかを常にチェックする必要があります。
期待値を計算することで、「どの馬券を買うか/どの馬券をスルーするか」の判断に説得力が生まれます。

判断基準(期待値の目安)

期待値 意味・判断
1.2以上 積極的に買いたい馬券(穴馬でも妙味あり)
1.0以上 プラス期待値。買う価値はある
1.0未満 長期的には損する可能性が高い。避けるべき

実戦で使うためのステップ

・自分なりに各馬の勝率をイメージで振り分ける(合計100%)

例:
 - A馬:40%
 - B馬:25%
 - C馬:15%
 - D馬:10%
 - E馬:10%

 

・実際のオッズと照らし合わせて、各馬の期待値を計算

 

・期待値1.0以上の馬のみを対象に、買い方(単複/ワイド/3連系)を組む

具体例でみる期待値計算

例えば、あるレースでのデータが以下のとおりとします:

 

馬A:オッズ 4.0倍、勝率自分の予想40%
馬B:オッズ 6.0倍、勝率自分の予想20%
馬C:オッズ 12.0倍、勝率自分の予想10%
それぞれの期待値は次のように計算されます。

 

4.0×0.40=1.6
6.0×0.20=1.2
12.0×0.10=1.2

 

これらの結果から、馬Aの期待値が最も高く、投資として魅力的であると判断できます。
また、馬Bと馬Cも1.2と同等ですが、オッズやリスク分散の観点から組み合わせ戦略を検討します。

さらに応用:買い目ごとの期待値比較(ワイド・馬連など)

ワイドや3連複などは、「自分で的中確率をどう見るか」がポイントになります。
例として
・ワイド A-B:自分の中で的中確率30%くらいと判断
・オッズ3.2倍ついてるなら…
E=3.2×30÷100=0.96
→ やや微妙な期待値。買うなら絞る or 見送りも検討

期待値を使った競馬予想の実践ステップ

① 全馬の勝率を“主観”で割り振る(合計100%に)

まず行うのは、「この馬が勝つ確率はどれくらいか?」を自分の目線で全頭に割り振る作業です。
これは決して“当たっているかどうか”ではなく、自分の予想の軸を明確にするための作業です。

 

例(10頭立てレース)

→ 合計100%。この時点で「どの馬にどれだけのチャンスがあると見ているか」が可視化されます。

② 実際のオッズと掛け合わせて期待値を計算

先ほどの勝率を使い、JRAや各種サイトで公開されている単勝オッズを使って1頭ずつ期待値を算出します。

このように、「予想した勝率」と「オッズ」を掛けるだけで、数字がハッキリと買い/スルーを判断させてくれます。

③ 期待値1.0以上の馬だけに絞って馬券を構築する

期待値が1.0を超える馬=理論的に「買っていい馬」です。
実際のレースではこの中からさらに、

枠順
脚質
展開
馬場傾向

などを加味して、買い目を絞り込んでいきます。

 

たとえば

 

◎:期待値1.2以上の軸馬
○:期待値1.0以上の中で最もオッズ妙味がある馬
△:1.0にギリ届かなくても条件が向きそうな馬

 

という風に印を振れば、無駄に点数が増えず、買う理由が明確な構成になります。

この手順を繰り返すだけで「賭け方の精度」が自然に上がる

最初は大まかな感覚でも構いません。
慣れてくると「オッズを見た時に、この馬の勝率が本当に合っているか?」という目が育ち、結果的に当たる買い目・外れる買い目の理由がはっきりしてくるようになります。

自分で勝率を計算するためのチェックリスト

1. 枠順

・内枠が有利なコース/馬場か?
・馬自身が包まれるのを嫌うタイプではないか?
・外枠からポジションを取りに行けそうか?

2. 脚質

・逃げ/先行/差し/追い込み、どのタイプか?
・今の馬場・コース形状に脚質が合っているか?
・ペースが速く/遅くなった場合に対応できるか?

3. 展開予想

・同型が多くてハイペースになりそうか?
・単騎逃げが叶いそうな馬はいるか?
・前有利/差し届く流れになりそうか?

4. 馬場傾向

・開催時期・天候・レース前の馬場状態(良~重)
・内伸び or 外差し傾向?
・馬自身に道悪適性はあるか?

5. 過去レースの内容

・着順だけでなく「どんな負け方・勝ち方」をしているか?
・スムーズに走れていたか?詰まったり不利があったか?
・ラップ適性(速い上がり or 消耗戦型)が合っているか?

6. 騎手・乗り替わり

・騎手の得意コース or 相性◎のコンビか?
・テン乗り or 継続騎乗?
・騎手の近走リズムや信頼度

7. 調教・仕上がり

・最終追い切りの内容・動き・時計
・中間の本数・調教場所・負荷
・前走より良化しているか?

8. コース適性

・中山/東京/阪神など、明らかに得意/苦手な傾向は?
・右回り or 左回り、内回り or 外回りの適性
・坂のあるコースでの実績は?

9. 距離適性

・今回の距離はベストか、延長 or 短縮がどう影響しそうか?
・ラップ構成とその馬の消耗度合いは合致するか?
・血統的裏付け(父・母父からのスタミナ or スピード傾向)

10. 相手関係・レベル比較

・今回は「格上挑戦」か、「相手弱化」か?
・過去に対戦した馬が今回どれだけいるか?
・G1実績/重賞実績/条件戦勝ち上がり組との比較

✅ 補足:最終的には「減点方式」がおすすめ

全馬に仮の「ベース勝率」を振ったあと、上記の要素を1つずつチェックし、該当すれば加点/減点していくとバランスが取りやすいです。

数値化して「勝率」に落とし込む方法」

このチェックリストの各項目を数値化して「勝率」に落とし込む方法」は、競馬予想をロジカルに進める上で重要です。

 

以下に、誰でも使えるようにした「スコアリング→勝率換算」の手順を具体的に解説します。

【ステップ1】チェックリストを点数形式で採点する

まず、先ほどの10項目をそれぞれ5点満点(0~5点)で評価します。

項目 評価例 配点
枠順 内枠有利で好枠 4点
脚質 差し有利で差し馬 5点
展開予想 前崩れ濃厚 4点
馬場傾向 重馬場巧者 3点
レース内容 前走不利あり好内容 5点
騎手 継続騎乗+信頼感 4点
調教 中間抜群、仕上がり良 5点
コース適性 初だが血統的に合う 3点
距離適性 むしろ延長歓迎 4点
相手関係 相手弱化 4点

【ステップ2】全頭を採点して、点数合計を基に“勝率に変換”する

次に、出走全馬(例:10頭)をすべて同様に採点します。

馬名 点数
A 41
B 38
C 33
D 28
E 27
F 25
G 23
H 19
I 15
J 11
合計 260

→ 各馬の点数 ÷ 全体点数合計 × 100=主観的勝率(%)

 

例:

 

A馬 → 41 ÷ 260 × 100 = 15.8%
B馬 → 38 ÷ 260 × 100 = 14.6%
C馬 → 33 ÷ 260 × 100 = 12.7%

 

…というように、すべての馬に“相対的な勝率”がつきます。

【ステップ3】その勝率を使って期待値を計算!

例:A馬の単勝オッズが6.5倍なら…
6.5×15.8÷100=1.03(期待値)
→ 期待値が1.0以上なら買い候補という判断ができます。

まとめ:ロジカル予想が可能になるフレームワーク

・全馬をチェックリストで採点(0~5点 × 10項目=50点満点)
・合計点をもとに、全体に対する勝率(%)を計算
・オッズと掛け合わせて期待値を導く(買い目を精査)

期待値を使った馬券戦略が「なんとなく買い」をなくす

期待値を計算すると、

・無駄な点数を減らせる
・「オッズ妙味がある中穴」を明確に狙える
・的中してもトータルで赤字…という状況を防げる

というメリットがあります。

 

特に、ワイドや3連複で「当たったのに回収できない」という人ほど、まず1.0以上かどうかを確認する習慣を持つだけで、勝率は大きく改善します。

期待値はすべての券種で使える指標

期待値と聞くと「単勝向けの考え方」と思われがちですが、実際はすべての馬券に応用可能です。
ワイド・馬連・三連複・三連単など、どんな券種でも「自分の中での的中確率を想定し、それに対してオッズが見合っているか」を計算することで、回収率の高い買い目を選別できます。

ワイド・馬連も「的中確率 × オッズ」で評価

たとえば、
ワイド【A-B】の的中確率を自分で30%と見積もる
実際のオッズが4.0倍ついているなら…
4.0×30÷100=1.2(期待値)
→ 期待値1.2なら積極的に買うべき買い目です。

 

逆に、
馬連【A-C】がオッズ8.5倍
自分の中で「10%くらいで当たる」と思ったら
8.5×10÷100=0.85(期待値)
→ 期待値1.0を下回るので見送り候補となります。

三連系(3連複・3連単)も“期待値で割り切る”のが重要

三連系の馬券ほど、「当たればデカいから買う」という誘惑に流されがちです。
ですが、的中確率が1%未満の買い目に数千円突っ込んでも、回収期待値が伴わなければ意味がありません。

 

むしろ、

 

「5%の確率で当たると思える買い目」×「オッズ30倍」= 期待値1.5
のような買い方の方が、長期的にはずっと安定します。

 

“人気馬3頭で3連複を当てる”よりも、“中穴1頭絡みのワイドで回収する”ほうが現実的な利益に繋がる場面も多いのです。

券種ごとの特徴に合わせて「期待値×勝負度」で買い分ける

実際の実践では、以下のように使い分けると◎です。

「券種によって期待値の使い方が違う」のではなく、「的中確率と配当のバランスをすべての券種に当てはめて考える」という視点が大事です。
単勝でも、三連単でも、「オッズの価値」と「的中の現実性」が釣り合っているかを数値で判断する。それが、買い目を信頼できる“投資”に変える第一歩になります。

まとめ|期待値思考が“なんとなく買う”を変えてくれる

競馬は「当てるゲーム」ではなく、「回収するゲーム」です。
どれだけ的中しても、オッズと釣り合っていなければ意味がない。
それを見える化してくれるのが、今回紹介した「期待値という考え方」です。

 

期待値を使うことで

自分の予想に根拠と数字が生まれる
無駄な馬券が減り、買い目がスッキリする
穴狙い・人気狙いのバランスを客観的に判断できる


という、予想力と回収率を同時に高める土台が整います。

 

主観的に「この馬は40%勝てる」と判断したなら、オッズが2.0倍では買わず、3.5倍以上あるなら買う。
たったこれだけのルールで、収支が大きく改善する人は本当に多いのです。

 

「感覚」で流される競馬から、「期待値ベース」で“勝ち方の型”を持つ競馬へ。

 

あなたの予想スタイルに、数字という武器を加えてみてください。

 

長く競馬を楽しむための、大きな武器になるはずです。